中年と「うつ」

 私は45歳・男性ですが、1年前頃から老眼・やる気の減退・性欲の減退・記憶力の低下が一気にやってきました。また、基礎代謝が低下したせいか、体重も2-3kg程増加しています。もともと、「うつ」傾向のある私ですが、やる気や能力の低下を実感するにつれ、「自分はこのままどうなってしまうのだろう」という不安感も強くなってきました。このような変化に対して他の人たちはどのように対処しているのかを知りたくて、「中年と「うつ」」に関する本を何冊も読んだのですが、その中でもっとも良かったのが「中年期うつと森田療法」(北西憲二 著)です。というか、この本を通じて森田療法に出会えたことが非常にラッキーで、行き詰ったときにはいつも森田療法の本(上記以外にも「森田療法」(岩井寛 著)などすばらしい本がある)を読み返しています。

 「中年期うつと森田療法」の中では、「自分自身と世界を「思うがまま」にしたい、コントロールしたい」という考え方が行きづまり、その人の人生に危機として現れたのが「うつ」であると説明されています。そしてこの行きづまりの修正を援助するのが森田療法になります。

 森田療法では「できないこと」はできないこととあきらめて「どうにかしようとしない」ことが重要であると私は理解しています。「自分はこのままどうなってしまうのだろう」という不安な気持ちを抱くと、どうにかその不安を消したくなりますが、不安を抱えた自分をそのまま受け入れるといった感じでしょうか。中年になって今までできていたことができなくなった自分を受け入れるだけでなく、できない自分を悲しいと感じる自分もそのまま受け入れるといった感じでしょうか。あとは「できること」をして「なるようにしかならない」と開き直れたら最高です。日々の生活の中でふと気づくと「できないことをどうにかしよう」としている自分がいますが、そんな自分に気づくことができれば大丈夫でしょう。本書では「失うこと、行きづまりなどから逆に新しい生き方、世界との関わり方を作り出せるのです。そこからむしろその人の固有な生き方が見えてくるのです。」と述べられているように、「うつ」になることをポジティブに捉えている点も非常に素晴らしいと私は思いました。

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